体ではなく目に光を取り入れる
ブライトライトME+(光療法)の使用法に関して、下記のような質問をよく聞きます。
- 光を体に当てて使用してもよいのですか?
- 寝ながら光を浴びても効果はありますか?
- どのような姿勢で光を浴びれば良いですか?
これらの質問の背景には、光療法を実施する場合、光は目から取りれるという基本的な使用方法が十分知られていないことがあります。これらの例に関して、ブライトライト(光療法)の使用方法をもう少し紹介します。
光を体に当てて使用してもよいのですか?
高照度光療法と似た言葉で、光線療法やキセノン光療法という治療法があります。これらの治療法では、患部や体に光を照射するため、高照度光療法の場合も体に光を当てるのではという先入観が働いているものと思われます。
高照度光療法では、高照度の光を目から取り入れて、視神経を通して脳に刺激を送ります。視神経は脳の神経の一部であり、脳の中枢部にある体内時計に直結しているため、目からの刺激は直接脳に伝わるのです。
目から光を取り入れると言っても、光源をずっと見つめる必要があるわけではありません。目の光の受容体は網膜の中心にだけ存在するのではなく、広く網膜全体に広がっています。そのため中心視野だけではなく周辺視野からの光も感じています。したがって、目から光を取り入れて「視界」全体を明るくするという説明が適切かと思います。
眠りながら光を浴びても効果はありますか?
これは、朝起きれない方や、その子どもの親御さんからの使用方法の質問として多く寄せられます。実際この回答はなかなか難しいものがあります。高照度光療法は2500ルクス以上で実施するように説明されていますが、光に対する感度は人それぞれ異なりますし、周りの明るさによってその感じ方は異なります。
たとえば、真っ暗闇のなかでは8ルクス程度のロウソクの光も相当明るく感じます。逆に1万ルクスのブライトライトME+の光でも、屋外に持ち出すとまったく明るく感じません。
まぶたを閉じた状態でブライトライトME+の光を浴びてもかなり明るく感じますが照度は極端に落ちます。ただ、実際に起床時にタイマーを使ってブライトライトを点灯させると、びっくりするような明るさで目が覚める場合がほとんどです。
明確な回答は難しいですが、まぶたの上から光を浴びても十分に明るいので朝起きの助けにはなるとは思います。しかし、高照度光療法として使用する場合は、朝起きて目を開けてから所定時間・所定距離の光を浴びてくださいと説明しております。
どのような姿勢で光を浴びれば良いですか?
最初の「光を体に当てて使用してもよいのですか?」の中で、目から光を取り入れて「視界」全体を明るくすると説明しました。つまり視界を十分明るくできれば、どのような姿勢でもかまわないということです。
たとえば、冬季うつ病で朝起きることができない方の場合、ベッドの横に椅子を持ってきてその上にブライトライトME+を設置し、ブライトライトME+の方に横向きになって暫く光を浴びる方が多くおられます。
朝食時と重ねて光を浴びる場合は、食卓の上で自分の正面にブライトライトME+を置き、ご飯やおかず類をブライトライトME+の前に置いて食べます。そうすると、目線がご飯やおかずに行っても、至近距離で自然に光が目の中に入ります。
また、本を読みながら光を浴びる場合は、目線が本に向かって下向きで、ブライトライトME+の光が前方から来ると、目線と光が交差してしまって目に光が入りにくくなります。そのような場合、本を浮かせて前に出して持つようにすれば、目線と光が交差しにくくなり、目に光が入りやすくなります。
このように、「視界を十分明るくする」ことをしっかり守って頂ければ、光を浴びる姿勢は問いません。
ブライトライトの使用法について: